今回の裁判に関して皆様からのご質問やご意見にお応えします。

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Q1:今回の通訳依頼をしたろう者の娘さんは、高校を卒業している。今は、高校生の3分の1は社会人になる。後は大学・専門学校に進学をする。高校を卒業すれば社会人と同じ。娘さんの進学先が心配なのは分かるが、そうしたところに税金を使って通訳を派遣するということはいががなものか。

A1:このご意見に関しては、手話通訳派遣を拒否する合理的な理由がありません。
①高松市が昨年7月に派遣を拒否した時点では、娘さんはまだ高校3年生在学中のこと。上記のご意見の論理であるならば高校生である娘さんの進学についての保護者説明会には手話通訳を派遣できたはずです。
   従って高校を卒業したら社会人だからとの理由は当てはまりません。
②娘さんに手話通訳が必要ではなく、手話通訳を必要としているのは母親であり、娘さんが社会人かどうかは全く関係ない話です。
   ろう者が必要としている場面に手話通訳を派遣することは、聞こえる人と対等に生きるために必要であり、社会参加をする上で情報保障は最も重要な施策であることから必要な税金を使って派遣すべきであると考えます。
   それが共生社会ではないでしょうか。
③果たして高校を卒業したら社会人と同じでしょうか?法律では20歳で成人と見なされます。高校を卒業しても未成年ですから、親には保護責任があります。
   社会一般的に考えても大学・専門学校に進学すれば卒業して就職するまでが親の責任として養育していると思います。
   今回のケースも同様で進学させるためには、母親としては娘さんが一人県外で生活をしなければならないかも知れないと不安は一杯です。学費のこと学校の環境や生活環境など心配すれば切りがありません。
   だからこそ実際に自分の目で確かめたいと思うのではないでしょうか。
   いろいろと聞きたいと思うのではないでしょうか。
   手話通訳を必要とするのは、母親としてごく当たり前の要求です。
   この当たり前の要求を認めないことが人間としての尊厳を深く傷つけているのです。

Q2:大学の入学式には、親は来るかもしれないが、会社の入社式には親は来ない。だとすれば社会人と同じ娘さんの入学式に、税金を使って通訳を派遣するということはいかがなものか。

 A2:このご意見もどうでしょう?手話通訳派遣を拒否する合理的な理由にはなっておりません。
①大学の入学式と会社の入社式を同列にすることには無理があります。
   確かに入学式や入社式では、新入学生や新入社員に今後のことについてオリエンテーションなどを行うことに変わりはありません。
   しかし、入学式は学生のみを対象にしているのではありません。入学式が終わってから保護者に対する説明会が大抵の場合開かれており、入学後の諸注意事項や金銭的なことなど保護者に必要な説明があり、保護者も対象としているのです。
②保護者説明会にしても入学式にしても参加するかどうか、手話通訳が必要かどうかを決めるのはろう者本人であり、娘さんが未成年者か否かは全く次元の違う話で、今回の手話通訳派遣拒否問題の本質ではありません。
 従って、手話通訳派遣拒否の理由にはなりません。
③聴覚障害者は、自分自身で人の話を聞き理解することは出来ないのです。情報保障がなければ情報を得ることも取捨選択することも出来ないのです。
   どんな情報が必要なのかは、手話通訳を通して情報を得て初めて分かることです。聞こええる親であれば自由に出席できるのに、聞こえない親は市長の判断でその自由を奪われたのです。これは明らかな直接差別です。

 今回のご意見を皆さんは、どのように考えますか?
 ろう者は、聞こえる社会で生活をしていく上で多くの障壁があります。その最も大きな障壁がコミュニケーション、情報の取得です。
 自立した生活を送るためには、自分で取捨選択を行える環境が整っていなければなりません。そのためのコミュニケーション支援事業であるはずです。
 本来であれば、いつでも、どこでも、手話によるコミュニケーションができる環境の整備が必要ですが、そのような環境になっていない今の状況では、ろう者は絶対に必要としている場面に手話通訳を依頼しているのです。
 税金を使っているのだから、行政の決めたことだけに従って生活をすれば良いとの考えは人間としての尊厳を軽んじています。

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